コロナ・ショックでは「急激に深い谷に転落」、コロナからの回復は「力強い回復」?

 コロナ・ショックで、世界経済は「急激に深い谷に転落」しました。通常の経験則からすると、深い谷に転落した後の、景気回復は「力強い回復」となります。2021年は力強い回復となるのでしょうか?

「山高ければ、谷深し」は景気の経験則で、「絶好調の好景気のあとには深刻な不況が来る」という意味です。その逆も、よく見られます。「急激に落ち込んだあとは急回復」となることがあります。ただし、それはあくまでも、経験則です。今回に当てはまるのでしょうか?

 私は、巨額の財政出動と、大規模な量的金融緩和が続く中で、コロナ問題が収束に向かえば、世界景気がやや過熱気味に拡大すると考えています。

 米国では来年1月に始動するバイデン政権が、巨額の財政出動を行う見込みです。大規模の金融緩和はそのまま続けられる見込みです。そこに、ワクチン供給による経済正常化が重なれば、一時的に景気が過熱することも十分あり得ると思います。「貿易戦争・コロナショック不況(仮称)」が、戦後最悪の深い谷だっただけに、回復力が強くなる可能性があります。