含み損益を有している保有株を「売る」か「売らないか」を年内に選択する

 税金計算上、保有株は売らない限り利益も損失も発生しません。ですから、年内に利益を作りたいのであれば、含み益のある保有株を売却すればよいですし、逆に損失を作りたいのであれば、含み損のある保有株を売却すればよいのです。

年内に利益を作れば節税できるケース

 年内に利益を作りたいケースとしては、例えば2017年に株式投資で損失を出し、その繰越損失がまだ残っている場合です。

 2017年に生じた損失を繰り越せるのは2020年までです。つまり、今年2020年中にその損失を利益と相殺しなければ、損失は切り捨てとなってしまいます。

 したがって、含み益のある保有株があるのであれば、売却して利益を生じさせた上で、2017年からの繰り越し損失と相殺することが節税につながります。

 もし、売却した株を今後も投資したいのであれば、再度買い直せばよいのです。

年内に損失を作れば節税できるケース

 一方、年内に損失を作りたいケースとしては、例えば2020年に利益がたくさん出ている場合です。

 このまま2020年が終わってしまうと、相当な額の税金が取られてしまいます。でも、もし保有株に含み損を抱えた塩漬け株があるならば、それを売却して損失を実現させれば、今年のこれまでに発生した利益と相殺し、税金を少なくすることができます。