失業保険の継続が減ったホントの理由は?

 雇用統計の重要な先行指標として注目を集めているのが新規失業保険申請件数です。前1週間に新規に失業保険が申請されたデータで、件数が多いほど失業者が増えていることを意味します。最近の申請件数は減少傾向を示していて、10月29日の前週分新規失業保険申請件数は75.1万件(前回79.1万件)でした。

 また失業保険「継続」受給者数は775.5万人で、こちらも前回(846.5万人)より少なくなっています。このデータは失業保険からの脱退数が失業保険への加入数よりも多いことを意味しています。失業者が減った結果だと解釈できますが、実際はそうともいえず、失業保険期間が終了してしまったことが大きな理由で、再雇用が増えているわけではないようです。

 今年の夏ごろまでは、年末か来年初めには売上が回復すると前向きな見通しを持つ米国企業もそれなりに多くありました。しかしコロナウイルスが収束するどころか、春よりもさらに強力といわれる第2波、第3波が襲来するなかで、ワクチンも当面期待できないことで、最近では、雇用が新型コロナ前の水準まで戻るのに約3年半、失われた売上収入を回復するには約4年半かかると、景気見通しが急速に後退しています。