S&P500連動インデックスファンドの積み立てから始めた

──ETFについては中編でしっかりお話を伺いますが、まずはたりたり社長さんの投資デビューについて教えてください。

 社会人になってすぐ投資を始めました。といっても銀行や生命保険会社、証券会社など、金融機関に勤務している人間は、金融商品取引法などによって、投機的利益の追求を目的とする有価証券の売買はできないなど、いろいろ制限があるんです。僕の勤務先も投資信託とETFは購入できますが、個別株の売買は禁じられています。

──それで、投資信託やETFを買ったわけですね。

 はい、まずは自分で投資体験を持つことも大事かなと思ったので、まずは投資信託の積み立てを始めました。

──具体的にはどんな商品ですか?

 米国の株式指数であるS&P500に連動するインデックスファンドです。

──最初から米国株だったんですね。

 はい。周囲の先輩たちに「何を買ってるんですか?」と聞いて回りました。当時はほんとに初心者だったので(笑)。そうしたら、「S&P500連動のファンド」を買ってる先輩が多かったんです。S&P500は、米国を代表する企業500銘柄で構成される指数です。つまり、S&P500連動のインデックスファンドを買うということは、米国市場そのものに投資するようなものなので、安心して保有できるのではないかと思いました。

──積立額はどれくらいでしたか?

 最初は月3万円ほどです。その後、徐々に増やしていきました。今は、何かあっても最低半年以上は生活できる、最低限の「生活防衛資金」と普段の生活費以外は、投資に回しています。

──最初は少額からのスタートだったんですね。ETFはしばらく投資信託を買った後に始めたんですか?

 はい。米国ETFにはセクターETFというものがあるんです。S&P500連動のインデックスファンドの積み立てを始めたと言いましたが、このS&P500は、電力会社など公的な事業を行う企業の集まりである「公益セクター」、金融関連会社が集まった「金融セクター」、化学素材系の会社が集まった「素材セクター」など11のセクター、つまり、分野に分かれています。これらそれぞれの分野の株式指数に連動するのが「セクターETF」です。

──500社すべてではなく、特定のセクターに投資できるということですか?

 はい。そういうことです。

──11セクターの中のどれを買ったのですか?

「情報技術セクター」と「ヘルスケアセクター」です。10年、20年先を見据えると、IT関連と健康関連は確実に成長するだろうと考えたからです。

──なるほど。運用成績はどうでしたか?

 最初はまあまあだったんですが、今は…コロナショックで…(苦笑)。とはいっても、そのあとの大幅な反動上げで、今は堅調な成績となっています。

──いったん下がってしまった時はショックだったと思いますが、買ったことを後悔していますか?

 いえ、それはありません(笑)。何度も言いますが、一時的に株価が下がるのは想定内ですし、いずれ回復すると確信していますから。今後、下落の可能性もありますが、それでも、ITとヘルスケアセクターについては長期的に成長すると信じています。

──なるほど。今後に期待ですね。中編では、たりたり社長さんのメイン銘柄「ETF」についてじっくりお話を伺います。

>>中編:結局何を買えばいい?おすすめの米国ETF5選!
>>後編:たりたり社長さんが「買いたい」個別銘柄とは?