米国V字回復はある?欧州はマイナス成長継続か
一方、米国では10月29日に第3Q(7-9月期)GDPの「速報値」が発表される予定です。市場予想平均によると、実質ベースの伸び(前期比年率換算)は+30%が見込まれています。
こうしたリバウンド(高成長率)が発表されると、「景気の底入れ」を確認することとなり、トランプ大統領は選挙直前に「V字回復」を米国民に訴えやすくなります。
ただ、米国景気の回復は「K字型」(業種別・地域別の格差が鮮明)で、第4Q(10-12月期)の成長率はペースダウンすると見込まれています。
FRB(米連邦準備制度理事会)は21日、9月から10月初旬の「地区連銀経済報告」を公表しました。同報告によると、「(米国経済は)緩やかに拡大した」が「状況は部門により相当異なる」との認識を示しました。
ITサービスや住宅不動産が堅調で、製造部門も総じて回復する一方、対面型小売り、飲食、観光業は低調を続けています。米国市場では政治情勢だけでなく経済動向も注視すべき材料となっています。
図表3で警戒したい点は、GDP規模で世界4位のドイツと5位の英国が2021年第1Q(1-3月期)までマイナス成長(景気後退)を続けるとの見通しです。
冒頭で述べたように、市場は「通商合意なきBREXIT(英国のEU離脱)」を懸念しており、英国だけでなくドイツなどEU側(欧州大陸側)も経済的影響を被ることが懸念されています。
新型コロナの感染拡大「第3波」の不安、欧州の政治経済が直面する不確実性は、グローバル・グロース(世界景気の回復)期待を覆う「暗雲」に繋がるリスクがあり警戒が必要です。
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