株式市場は「グローバル・グロースの鈍化」を懸念するか

 欧米の政治情勢に潜在的リスクはありますが、株式市場は「おおむね半年から1年後の景気や業績を織り込む」とみられます。そうした観点で世界経済の現状と見通しを知ることは参考になります。

 中国の国家統計局は19日、第3Q(7-9月期)の実質GDP(国内総生産)の伸びを+4.9%(前年同期比)と発表しました。

 第2Q(6-8月期)が+3.2%(同)でしたので、2四半期連続のプラス成長で伸び率はやや増加。中国は、新型コロナの感染を抑制し始めた段階から経済活動の復興を推進し、財政出動とインフラ投資を拡大させてきました。

 個人消費の底上げに課題はありますが、マイナス成長を余儀なくされた第1Qからの持ち直しを印象付けました。

 図表3は、GDP規模が大きい世界5カ国の実質GDP成長率の実績と見通し(市場予想平均)を示しています。主要国経済のなかで、中国がいち早く景気回復の歩みを進めている状況に注目したいと思います。

<図表3>米・中国の経済は持ち直し、英・独はしばらく景気後退?

出所:Bloombergをもとに楽天証券経済研究所作成(2020年10月20日)