スマホ決済だけじゃない!世界のポイントと決済事情

ヨーロッパの最近のトレンドは“コンタクトレス”

―― “コンタクトレス”とは何でしょうか

保有のコンタクトレスカード。音声のようなマークが。

 一言でいうと、交通系Suicaや PASMOのイメージです。「サインレス決済」とか、「タッチ決済」とも呼ばれます。非接触型ICチップを使って、カードをかざすだけで決済できるので、基本的に暗証番号やサインの必要がありません。クレジットカード、デビットカード、プリペイドカードと3種類あります。

 ヨーロッパはこの決済が主流になりつつあって、英国の地下鉄はコンタクトレスのカードがないと乗れません。米国でも使えます。国際ブランドの「VISA」が力を入れて展開中ですね。カードに「Visa payWave」などのマークがあるカードが“コンタクトレス”で使えます。

“1秒以内で決済”できるのも強み。日本のSuicaは0.2秒ですが、1秒であれば電車の改札もまあ問題ないと思います。

――本人確認は大丈夫なのでしょうか?

 支払額が一定金額(日本では原則1万円)を超えると普通のサイン決済(暗証番号)にする、とリミットを設けています。少額向けですね。これから、ラグビーワールドカップや2020年オリンピック・パラリンピックがあるので、日本での拡大の可能性も高いと考えています。

中国では、スマホ決済。韓国はキャッシュレス先進国

――中国ではスマホ決済が主流と聞いていますが。​

 中国は国土が広くて、現金輸送のコストがかかることや、偽札の心配があるなど、現金に対する不信感がある環境でした。そこで、政府主導で決済手数料を低く抑えることで、スマホ決済が一気に広まっています。

――韓国はいかがでしょうか?

世界ではキャッシュレスが進んでいる

 韓国は、決済の90%以上がクレジットカード決済と言われています。なぜそんなにキャッシュレスが進んだかというと、1997年に始まった「アジア通貨危機」がはじまりです。というのも、韓国でアジア危機が起こったのは、脱税が横行して、政府の税収がとても少なかった、という背景があったそうです。

 そこで、小規模事業主の決済にクレジットカードを導入して、“収入や支出を見える化し、脱税がしにくい仕組み”を作りました。クレジットカードを利用すると、年間利用額の20%の所得控除(上限30万円)や、「宝くじが貰える」といった“オマケ”を設定。プラスして、年商240万円以上の店はクレジットカード取り扱いを義務化。政府主導でクレジットカード利用の普及を応援しました。結果として、キャッシュレス化がぐっと進んだわけです。