米大統領選をめぐる思惑で、米国株が乱高下

 米大統領選挙が実施される11月3日が近づくにつれ、大統領選をめぐる波乱に対する警戒感が強まりつつあります。

 大統領選で、優勢と考えられている民主党候補のバイデン氏は、法人増税を明言しています。トランプ大統領が実施した法人減税を酷評しており、バイデン氏が勝利すると法人増税が実施される可能性が高くなることが、米国株にとって警戒材料となっています。

 トランプ大統領は、さらなる法人減税に意欲を示しています。ただし、トランプ大統領再選の場合、中国への制裁を一段と強め、米中対立が激化する不安があります。バイデン氏が勝っても、トランプ大統領が勝っても、それぞれ期待も不安もあります。

 僅差でバイデン氏が過半数を得票した場合、トランプ大統領が郵便投票などでの不正を申し立てて敗北を認めず、選挙結果が何週間も出なくなるリスクも懸念されています。そうなると、議会はコロナ対策の追加予算を可決できず、コロナ対策の期限切れによる米景気不安が高まります。

 大統領選の結果がすんなり決まっても、同時に実施される議会選の結果によって、ねじれ議会が生じると、大統領がコロナ対策を機動的に実施できなくなる可能性もあります。民主党・バイデン候補が勝利したときに、上・下院で共和党が過半数を取ると、ねじれ議会となります。あるいは、共和党・トランプ大統領が再選したとき、上・下院を民主党が支配すると、ねじれ議会となります。

日本株は、長期投資で買い場の見方、継続

 日本株は割安で、長期的に買い場との判断を継続します。11月3日に行われる米議会選で、米国株にさまざまな波乱があり得ます。米中対立の先行きにも懸念材料がたくさんあります。

 日経平均もこれからも乱高下が予想されますが、来年にかけてコロナが徐々に収束し、世界景気が回復、日経平均もいずれ上昇トレンドに入っていくとの見方は、継続します。

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