※このレポートは、YouTube動画で視聴いただくこともできます。著者の窪田真之が解説しています。以下のリンクよりご視聴ください。

[動画で解説]日経平均は停滞。大統領選の行方を注視せよ!

-------

コロナ前高値が近づき、上値が重くなる日経平均

 先週の日経平均株価は、1週間で209円下がり、2万3,410円となりました。11月3日に行われる米大統領選、欧米での新型コロナ感染拡大、英国がEU(欧州連合)から「合意なき離脱」となるリスクへの警戒から、欧米株式が軟調に推移した流れから、日経平均も上値が重くなりました。

 今後の日経平均を考える前に、今日は、日経平均が過去1年、どういう要因で動いてきたか、週足チャートで簡単に振り返ります。

日経平均週足:2019年10月1日~2020年10月16日

【1】2019年10~12月:米中通商協議の合意期待で上昇

 2019年は、米中貿易戦争の激化で、製造業中心に世界景気が悪化しつつありました。ただ、米FRB(連邦準備制度理事会)が金融緩和を続けていた効果に加え、米中協議が合意に向かうとの期待があって、世界的な株高となりました。その流れから、日経平均も上昇しました。

【2】2020年1~3月:コロナショックで暴落

 1月15日、米中「第一段階合意」が成立。米中対立が緩和すれば世界景気に好影響と期待されているところで、コロナ禍が世界に拡大しました。1月中は中国およびアジアだけの問題と安易にみられていましたが、欧米でも感染が急拡大していることがわかった2月から、世界中の株が急落しました。

【3】2020年4~10月:世界中で株が急反発

 4~6月、世界中で巨額の金融緩和・財政出動が行われた効果で、世界的に株価は急反発しました。7~10月は、さらに経済再開にともなう景気の底打ちを好感、さらにワクチン開発によって来年にはコロナが収束に向かう期待が出たことにより、さらに上昇しました。ただし、コロナ前の高値(1月20日の2万4,083円)が近づくにつれて、上値が重くなっています。

 米大統領選後に米中対立が激化する懸念、欧米で経済再開にともなう感染拡大ペースが速いことへの不安などが上値を抑えています。