外国人投資家が菅政権をどう評価するかに注目

 菅政権の「目玉大臣」とされる平井卓也デジタル改革相と河野太郎行政改革相の動きも急です。平井卓也デジタル改革相は、デジタル庁の新設に向け「デジタル改革関連法案準備室」を9月30日に設置しました。関係省庁から50人、民間から10人程度を加え2021年秋の開庁を目指すとしています。

 河野太郎行政改革相は9月24日、全府省に行政手続きでハンコを使用しないよう要請しました。業務を遂行する上で押印が必要な場合は、明確な理由を回答するよう求める徹底ぶりです。

 菅首相は、日本学術会議(内閣府の特別機関)の会員任命について、過去の事例を踏襲せず、推薦された会員候補のうち6名を任命しませんでした。これについて菅首相は「日本学術会議は政府の機関であり、年間約10億円の予算を使って活動している。総合的・俯瞰的に活動を確保する観点から、今回の任命について判断した」としています。

 投資家にとって注目される点は、首相が過去の例を踏襲しない姿勢を見せたことです。ここまで強い「改革姿勢」と「迅速な行動」は過去の政権を上回るものかもしれません。

 株式市場(=投資家)はそのような姿勢に好反応を見せるのが常です。東京市場の買い主体が「日本銀行によるETF(上場投資信託)買い」、「自社株買い」という状況が長く続いていますが、ここから先は、過去の日本株上昇局面において中心的な存在となった「外国人投資家」の動きを注視する必要がありそうです。

 菅政権への高支持率が続き、実績が表れてくると「彼ら」が動き出す可能性が十分にあります。

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