納税問題、TV討論会不評、コロナ感染。トランプ大統領落選に現実味

 11月3日の大統領選で、トランプ大統領が落選する可能性が高まったと考えられていることが、波乱材料となっています。米ニューヨークタイムズ紙は9月27日、トランプ大統領が当選前の15年間のうち、10年分の所得税を納めていなかったと報道しました。トランプ大統領は「フェイクニュース」と報道を否定していますが、納税記録の公開をしてこなかったことから疑惑が深まり、選挙戦に逆風となっています。

 そうした状況下、トランプ大統領は、民主党の元副大統領、バイデン候補との第1回テレビ討論会に臨みました。討論会では、トランプ大統領がバイデン氏の発言中にたびたび割り込み、お互いに相手をなじり合う、非難の応酬となりました。最低の候補者討論会だったとの声が強まり、討論会の直後には、トランプ大統領落選の可能性がさらに高まったとの見方が増えました。

 さらに、トランプ大統領が、新型コロナに感染していたとツイッターで発表した10月2日、一時、NYダウの先物が急落しました。選挙戦を戦えなくなり、不利になると見られました。ただ、その後、大統領は軽症との報道もあり、10月2日のNYダウは大きくは下がりませんでした。トランプ大統領の病状については、情報が錯そうしています。一時、酸素吸入が必要になったとの報道もありますが、抗体薬や抗ウイルス剤レムデシビルを投与し、現時点では快方に向かっていると考えられています。

 現時点で、トランプ落選→バイデン当選ならば、法人税が引き上げられ、米国株は下がると考えられています。ただし、バイデン当選が、株式市場にとって単純な悪材料とはならないとの見方もあります。さまざまな見方について、明日のレポートで報告します。

日本株は、長期投資で買い場の見方、継続

 日本株は割安で、長期的に買い場との判断を継続します。米大統領選で、さまざまな波乱があり、その都度、日経平均は乱高下が予想されますが、来年にかけて世界景気が回復、日経平均もいずれ上昇トレンドに入っていくとの見方を継続します。
 

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