日経平均は、再び2万3,000円に戻される

 先週の日経平均株価は、1週間で174円下がり、2万3,029円となりました。ただ、9月29日に9月中間決算の配当落ち、約165円をこなしているので、実質的には、1週間でほぼ横ばいだったと言えます。

 日経平均は、以下の日足チャートをご覧いただくとわかる通り、8月半ば以降、2万3,000円から2万3,500円の狭いレンジで膠着しつつあります。

日経平均日足:2020年5月1日~10月2日

 先週は、強弱さまざまな材料が飛び出した1週間でした。日銀短観などで、製造業に回復の兆しが出ていることはプラスです。NTTがドコモに4.2兆円TOB(株式公開買い付け)をかけると発表したことも、需給面で株式市場に大きなプラス材料です。

 一方、11月3日の大統領選でトランプ大統領が落選する可能性が高まったと考えられることが、波乱材料となっています。納税問題が持ち上がる中、TV討論会が不評、さらに、コロナ感染が判明したことが、トランプ大統領に逆風と見られています。法人税増税を明言しているバイデン候補が有利になったことで、法人増税のリスクが高まったと判断されました。

 10月1日には、東京証券取引所が、システム障害で史上初、終日売買停止となりました。東京の金融市場としての信頼性をゆるがせる問題となりました。

 足元、弱含んではいますが、日経平均は9月以降、米国・欧州の株が調整する中、相対的に堅調です。

東証マザーズ・日経平均・独DAX指数・NYダウ・米ナスダック総合指数の動き比較:2020年9月1日~10月2日

注:9月1日の値を100として指数化

 8月まで、最高値を更新し続けていた米国ナスダック総合指数が9月に入り、急落しました。9月までの上昇ピッチが速すぎたことから、利益確定売りが集中しました。続いて、9月半ばに、ドイツのDAX指数銘柄(フランクフルト証券取引所の上場銘柄のうち、ドイツ企業の主要30銘柄を対象とした株価指数)など、欧州株が売られました。欧州での感染再拡大が嫌気されました。

 ただし、9月の日経平均は、売られそうになっても、買い戻され、堅調に推移してきました。【1】欧米に比べ日本は感染拡大を小幅に抑えられていること、【2】スガノミクスへの期待、【3】中国景気回復の恩恵を受け製造業に回復の兆しが出ていること、などが日本株を下支えしていると考えられます。東証マザーズは、スガノミクスで推進が期待されるデジタライゼーションの関連株が多いことから、強い値動きとなっています。