欧米株が売られても日本株が堅調な4つの理由

 これまで、米国株ロング(買い)・日本株ショート(売り)のポジションを積み上げてきた投機筋(主に外国人投資家)が、欧米株を売る中で、日本株を買い戻していると考えられます。
 以下4点が、日本株買い戻しに寄与していると考えています。

【1】    欧米の感染再拡大が深刻になる中、日本は感染を相対的に低く抑えていること
【2】    菅内閣による構造改革(規制緩和)、スガノミクス推進への期待
【3】    米著名投資家ウォーレン・バフェット氏が日本の商社株への投資を発表。日本株見直しのきっかけに。
【4】    米FRBが低金利長期化を示唆したにもかかわらず、円高があまり進んでいないこと。

 9月16日に米国の金融政策を決めるFOMC(連邦公開市場委員会)結果が発表され、ゼロ金利を長期継続する方針が示されたことを受け、ドル安(円高)が進み、一時1ドル104.00円をつけました。ただし、その後、円安に戻り、9月26日には1ドル105円台の半ばで推移しています。

ドル円為替レート推移:2020年1月2日~9月25日

 ドルは、為替市場で安全資産とみなされるようになっており、世界の政治経済に不安が残る中、ドルへの需要は根強く続いています。

 スガノミクスへの期待が、日本株が売られない理由ともなっています。スガノミクスは、アベノミクス継承を旗印としていますが、明らかに力点は異なります。デジタル庁創設構想に見られる通り、デジタライゼーション推進のための構造改革に全力をあげる姿勢がはっきりしてきています。

 スガノミクスの元で、遅れていた日本のDX(デジタライゼーション)が進む期待が高まり、東証マザーズ市場で、関連株を物色する流れが強まっています。

東証マザーズ・日経平均・独DAX指数・NYダウ・米ナスダック総合指数の動き比較:2020年9月1日~9月25日

注:9月1日の値を100として指数化

今週の日本株は、「押し目買い」方針。円高や米国株安を嫌気して下げる局面を待つ

 日本株は割安で、長期的に買い場との判断を継続します。これまでも、これからも短期的に急落・急騰を繰り返しながら、長期的に上昇していくと考えています。

▼著者おすすめのバックナンバー
2020年9月15日:菅総裁、誕生!強いリーダーになるために越えるべき3つのハードル
2020年9月14日:日本株は、まだ上がる?米国株急落だが、日本株が堅調な理由。ナスダックは調整未了感