古くて残念な常識が存在するからこそ、賢い投資家になれるチャンスがある!

“有事の金買い”について、有事発生による資金の逃避先需要は、現在の金価格の変動要因の一つに過ぎず、有事発生でも金価格が上昇しないことがある、“OPEC減産で原油価格上昇”について、減産実施でも株価が一時的に急落すれば原油価格は上昇しないことがある、“フォルクスワーゲン問題でプラチナ価格下落”について、株価が長期的に上昇傾向にあるため、問題発覚後もプラチナ価格は底堅く推移し、かつ欧州の排ガス浄化装置向け消費量も微減程度で済んでいる、と述べました。

 いずれのケースでも、コモディティ市場の環境が変化する2000年以前に生まれた「思い込み」が、今起きていることと合致しないことがわかります。古くて残念な過去の常識は、今の常識の一部分にすぎないことを認識する必要があります。一つの材料にのみ着目する古い常識だけでは、現代の値動きを説明することができなくなっているわけです。

 古くて残念な常識は分かりやすいのですが、換言すれば、短絡的といえます。分かりやすいがゆえに、いまでも残念な常識として、市場で語り継がれているのだと思います。情報配信の際、一部では、マーケットの実態よりも“分かりやすさ”や“見出しのインパクトだけを重視して伝える”ことが優先されていると、感じることもあります。

 このような状況において、投資家はどのような行動をとればよいのでしょうか? 筆者は、以下の3密回避を行うことで、古くて残念な常識にとらわれない、現在の状況を正しく把握し、将来を見通すことができる投資家になれると、考えています。

◆コモディティ投資家が、密になってはいけない3要素

・過去の常識
・過去の成功体験
・集団心理

「人の行く裏に道あり花の山」という相場格言があります。多くの人が通る道を避けて、裏の道を進むことで、花の山に行き着くことができる、つまり、群集心理に惑わされず人とは違う方法を選択することが、利益を上げるために重要だ、ということを説いた格言です。

 コモディティ投資版の“3密回避”を行うことで、「人の行く裏に道あり花の山」を体現することができると、筆者は考えています。なぜなら、多くの個人投資家は、逆に“密”の状態で取引をしている可能性があるからです。

 過去の常識や成功体験、集団心理と密にならないようにすれば、心理的に、他の個人投資家より優位になれるでしょう。他の個人投資家よりも一歩先に買い、一歩先に売ることができれば、花の山に行きつく(投資のパフォーマンスを向上させる)ことができるのではないでしょうか。

 まだまだコモディティ市場は、過去の常識、過去の成功体験、集団心理にとらわれていると感じます。だからこそ、他の個人投資家より優位に立つチャンスがあると思います。そのための具体的なアクションが、コモディティ投資版“3密回避”だと考えます。

[参考]貴金属関連の具体的な投資商品

純金積立

金(プラチナ、銀もあり)

国内ETF/ETN

1326 SPDRゴールド・シェア
1328 金価格連動型上場投資信託
1540 純金上場信託(現物国内保管型)
2036 NEXT NOTES 日経・TOCOM金ダブル・ブルETN
2037 NEXT NOTES 日経・TOCOM金ベアETN

海外ETF

GLDM SPDRゴールド・ミニシェアーズ・トラスト
IAU iシェアーズ・ゴールド・トラスト
GDX ヴァンエック・ベクトル・金鉱株ETF

投資信託

ステートストリート・ゴールドファンド(為替ヘッジあり)
ピクテ・ゴールド(為替ヘッジあり)
ピクテ・ゴールド(為替ヘッジなし)
三菱UFJ純金ファンド

外国株

ABX Barrick Gold:バリック・ゴールド
AU AngloGold:アングロゴールド・アシャンティ
AEM Agnico Eagle Mines:アグニコ・イーグル・マインズ
FNV フランコ・ネバダ
GFI Gold Fields:ゴールド・フィールズ

国内商品先物

金・金ミニ・金スポット・白金・白金ミニ・白金スポット・銀・パラジウム

海外商品先物

金、ミニ金、マイクロ金(銀、ミニ銀もあり)

[参考]具体的な原油関連の投資商品

国内ETF/ETN

WTI原油上場投資信託 (東証)1690
NF原油インデックス連動型上場(東証)1699
NEXT NOTES 日経TOCOM原油ブル2038
NEXT NOTES 日経TOCOM原油ベア2039

投資信託

UBS原油先物ファンド

外国株

エクソンモービルXOM
シェブロンCVX
トタルTOT
コノコフィリップスCOP
BPBP