金融相場第2波の狙い目

 一進一退の米株式が、金融相場第2波入りする前段階では、NASDAQ総合指数が1万800付近でサポートされれば、相場復調への距離感を無用に遠のかせずに済むかもしれません。同水準が、そもそも秋波乱がつむじ風程度のインパクトと想定した時点の下落10%付近であり、テクニカルには、9月早々の相場急落の下値、直近の保合いレンジの7月上値と8月下値、コロナ禍相場のフィボナッチ黄金比▲23.6%と重なっています。この水準を割り込むと、大台区切り1万水準までが前向きな心理を保ちやすいレベルと言えます。当レポートの執筆時点では、一進一退が1万800~1万1,500レンジ付近であれば、相場調整が9月中に一巡するシナリオ内にあるとみています。

 米株式相場自体の想定軌道は、9月の一進一退から、10月は気迷いを残しながらもグロース株先導でしっかりで、米大統領・議会選挙のリスク感が後退していき、11~12月は、米選挙の結果を確認して高揚感と共に、金融相場第2波を進むイメージです。この場面で注意すべきテーマは、有力なコロナ・ワクチンがいよいよ承認に至る可能性です。ワクチン普及の期待は、経済正常化への道筋を想定しやすくするでしょう。景気敏感株やバリュー株の見直しを誘い、グロース株からの投資ローテーションを引き起こす可能性があります。

 大局観として金融相場は2021年へと続くでしょう。人類、もっと狭めれば、米国経済がコロナ禍に負けると考えない限り、慎重に前向きな投資の継続、あるいは9月調整後の再開を、基本スタンスとして相場に臨むのが妥当と判断します。