金融相場は終わらない

 2020年3~8月の金融相場はまだ第1波という位置づけです。

 FRB(米連邦準備制度理事会)は、空前の金融緩和の結果、インフレ率が2%目標を超えても、利上げせずに金融緩和を継続する方針を明らかにしています。コロナ禍の経済の正常化に全力を尽くす決意の表明です。FRBの経済正常化への予想は目標であり、実現するために金融政策を振るいます。その決意と力を信頼する限り、2021年にかけて金融相場は継続するとの予想は妥当ということになります。コロナ禍に米経済が負けると思うなら、悲観シナリオもあり、でしょう。しかし、米経済は相対的に高い潜在成長率と期待インフレ率を有しており、金融政策に対する感応度も日欧より強いとの判断から、筆者はFRBに軍配を上げます。

 さらに株式相場にとって、ポスト・コロナの好環境が期待されます。経済全般がデフレ・ギャップを抱え続ける分、金融財政政策のサポートも継続されます。それによる経済、企業業績の改善の方向性も追い風でしょう。そして、コロナ禍ゆえに成長する企業群が現れており、産業界の新陳代謝のテーマが相場を牽(けん)引し続ける見込みです。