最安値や最高値を意識し過ぎることの弊害(その2)

 最安値や最高値を意識し過ぎることにより生じるもう一つの弊害が、「安値覚え」や「高値覚え」です。

安値覚えとは?

 安値覚えとは、株価が大きく上昇する以前につけていた安い株価を意識し過ぎて、その水準にまで株価が値下がりしなければ買うことを躊躇(ちゅうちょ)してしまうことを指します。

 例えば、もともと500円だった株の株価が大きく上昇して2,000円になったとします。でも、もともとの500円という株価を「安値覚え」しているため、2,000円でこの株を買うことができないのです。

 でも、業績が伸びている成長株であれば500円の株価が2,000円になった後、再度500円近辺に戻ることはほぼないのです。逆に5,000円、1万円とどんどん上昇していくことも少なくありません。

 本来であれば2,000円で買うことができたはずなのに、500円という過去の株価にとらわれるあまり、買うことができず大きな利益を得られないのです。

高値覚えとは?

 逆に、5,000円まで株価が上昇した株が、その後4,000円に値下がりしたとしましょう。このとき、多くの個人投資家が「5,000円で売っておけば良かった」と考えます。そして、「今度5,000円になったら売ろう」という判断をするのです。これを「高値覚え」といいます。

 でも実際は、5,000円には戻らず3,000円、2,000円……と、どんどん株価が下がっていって、大きな損失を被ってしまうのです。