リバランスするなら相場変動に惑わされないタイミングで

 株式、債券、代替資産など、複数の投資信託を組み合わせて基本ポートフォリオを作っているという方は、自身の誕生日など、毎年決まった日にリバランスを検討することをおすすめします。プロの投資家の世界では、相場転換シグナルの検知など厳密なルールを決めた上でリバランスを実施しますが、個人の資産形成でこれを実践するのは困難であるということと、あまり小刻みにリバランスを実施しても効果を得にくいためです。

 例えば、自身の誕生日に保有する投資信託を確認し、20%程度の利益が出ているファンドがあったら、その利益相当分を解約(売却)して比率の低下したファンドを買い増す、というのがよいでしょう。とはいえ、リバランスは毎年必ず行わなければいけないというものではありません。特にiDeCo(イデコ:個人型確定拠出年金)などで長期の資産形成を行っている場合は、ファンドの確認は年1回、実際にリバランスを行うのは3年に1回程度でも十分です。

基本ポートフォリオの作り方のコツ

 まだポートフォリオを作っていないという方は、まず基本ポートフォリオの原型を作るところから始めましょう。ポイントは、「相対的に出遅れている」、または「(価格が)戻り切っていない」資産や地域に着目することです。コロナ・ショック後を例にとると、新興国株式やREIT(リート:不動産投資信託)が当てはまります。

 さらに、上昇している資産と相関の低い資産に着目するのもよいでしょう。

 例えば、金(ゴールド)は一般的に株式(とりわけ米国株式)と逆の値動きをする傾向にあります。相場の上昇時はどうしても上昇している資産にばかり目が行きがちですが、ポートフォリオを作る上で、より重要なのはリスク管理です。値動きの異なる資産を組み合わせることで、保有資産全体のリスクを少しずつ調整していけば、自分に合ったポートフォリオを作っていくことができます。