相場が急上昇したときはリバランスを急いだほうがよいのでしょうか

解答:×

 相場の動向を見極めるのはプロでも難しいものです。個人の資産形成でリバランスを検討するなら、相場の動きに左右される形ではなく、自身の誕生日など、あらかじめ覚えやすいタイミングを決めた上で実施した方がよいでしょう。

「リバランス」とは、相場変動によって変化した資産の配分比率を当初の状態に戻す作業です。特定の資産(ファンド)が値上がりして配分比率が高くなると、必然的にその資産のポートフォリオにおける影響力が大きくなります。そこで、上昇した資産を売り、比率の低下した資産を買い増すことで資産配分を元の比率に修正し、同時にポートフォリオ全体のリスクも当初の水準に戻すのです。

 リバランスの前提にあるのは、「運用の軸」となる基本ポートフォリオです。年金基金などのいわゆるプロの投資家の世界では、中長期的な目標リターンと想定リスク水準を決めた上で基本ポートフォリオを策定し、その基本ポートフォリオに基づいて運用します。リバランスは、追加的なリターンの獲得ではなく、あくまでもこの基本ポートフォリオの維持を目的として行うものなのです。