金融商品取引法に基づいて作成・開示される資料は?

解答:1.交付目論見書と3.運用報告書

 金融商品取引法に基づいて作成・開示されるのは、交付目論見書と運用報告書です。

交付目論見書とは?

 交付目論見書とは、投資信託の「商品説明書」のこと。投資家は、投資信託の購入時(積み立て設定時を含む)に必ず目を通す必要があります。

運用報告書とは?

 運用報告書とは、ファンド運用期間中の運用実績や運用経過、信託財産の状況、有価証券の売買状況、今後の運用方針などを投資家に報告するための法定文書です。運用報告書は、当該投資信託の計算期間の末日ごとに運用会社が作成します。

 この二つの資料は、運用会社に作成義務があり、どの投資信託にも必ず用意されています。

 販売用資料月次レポート臨時レポートはいずれも運用会社が補完的に作成している資料です。これらの資料は、ごく一部の例外を除き、運用会社のウェブサイトに掲載されているので、購入前でも目を通すことが可能です。

ほったらかしはもったいない!運用報告書・月次レポート

 投資信託の購入後に特に目を通していただきたいのは、運用報告書と月次レポートです。

チェック!運用報告書

 運用報告書は年1~2回、6カ月または1年ごとの発行がほとんどです。

チェック!月次レポート

 月次レポートは原則として毎月発行されます。毎月、隅から隅まで読み込む必要はありませんが、運用成績とファンドマネジャー(運用担当者)のコメントは可能な限り目を通すことをおすすめします(図の[a][b])。

 運用成績は、ベンチマーク(または参考指数)との比較が大切です。

 多くの月次レポートには、ベンチマークと比較した折れ線グラフや表が記載されていますので、こちらを確認するとよいでしょう(図の[C])。

 アクティブファンドなら、ベンチマークを上回っていてほしいところですが、仮に下回っていたとしても、数カ月程度の期間での話であれば、それほど目くじらを立てる必要はありません。ただし、大きく下回った状態が続いているときは要注意。どうして下回ったのかについてのファンドマネジャーのコメントが載っているはずなので、必ず目を通してください。

 もう一つ、純資産残高の水準もチェックしたいところです(図の[C])。残高が増えている間は基本的に大きな問題はありませんが、減ったときは、その原因を探ることが重要です。