米国株は長期投資がキモ。「貯めながら増やす」

 すなわち、株式相場が高値圏であったリーマンショック直前に積立投資を開始しても、「株価が暴落しても積立を継続していたら安い単価で投資口数を増加できた」ことを実証しており、積立投資が合理的な投資手法であったことを検証しています。

 換言すると、株価が大きく下落する場面では、積立投資には良い押し目買い(積み増し)の機会であったことがわかります。相場の乱高下や警戒・悲観ムードに押されて短期売買するよりも、「貯めながら増やす積立投資」を資産運用のコア(中核)に据え置きたいと思います。

 米国株式への投資を実践するには「Stay Invested」(長期投資姿勢)が肝要と考えています。

 現代投資理論では「相場の動きはランダムウォーク(千鳥足)に近い」ことは常識化しています。株価が一段高となるのか、一転して下落するかを言い当て続けるマーケット・タイミング(短期売買)は「言うは易く行うは難し」です。

 全ての余裕資金を一括して投資をするより、「時間分散」を心がけて株価変動(リスク)を消化しながら「増加する累計投資口数×株価水準」で計算される時価総額の増加を期待する方が合理的と考えられます。

 株式相場が下落した際は、「以前より安く買えた」と理解することで心理的不安も軽減できます。「貯めながら増やす米国株式への積立投資」を「辛抱したかいのある資産形成」として役立てたいと思います。

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