【3時限目】「インデックスファンド」や「バランス型」って何?!――用語を知れば選びやすい!

篠田:まずチェックしていただきたいのが、例えば「三井住友・DCつみたてNISA・日本株インデックスファンド」や「たわらノーロード日経225」の商品説明欄の右下に青枠で囲んである「インデックスファンド」という表記です。

「インデックスファンド」とは、日経平均株価やTOPIXなどの指数と同じ値動きを目指す投資信託です。飲食店で例えるなら「チェーン店」のようなものですね。

白鳥:安いけど安定した味、というイメージですか?

 

 

篠田:そうなんです。安定の秘訣は、マニュアルで機械的に運用しているから。あと、独自の味を追求しすぎない分、安価に食べられますよね。それと同じようなものだと考えていただくといいと思います。

白鳥:分かりやすいですねー! だから管理費用の率も低いんですね。

篠田:一方、インデックスファンドという表記のないものは比較的、管理費用が高めですよね? これが、レストランの格のようなものなんです。

白鳥:こだわりのシェフがいるお店のような「ちょっといいところ」ということなんですね。

篠田:その分、チェーン店には出せない味を出せます。味の違いは、商品の解説をしっかり読んで確認してね、ということですね。

 例えば、次のページの「REIT」(リート)というのは不動産投資信託のことで、間接的に不動産に投資ができます。この「REIT」も、「インデックスファンド」とそうでないものがあり、さらに[国内][海外]という表記もありますよね。

 白鳥:なるほど。投資先の商品が国内のものか、海外のものかが違うんですね。

 篠田:その通りです。日本だけでなく、海外の株式や不動産にも比較的容易に投資できるのが投資信託の魅力の1つなんですよ。

 あと、コストを抑えたい、自分の知識や判断に自信がない、という場合には、インデックスファンドをいくつか組み合わせるという方法もあります。でも、「ちょっといいものを食べてみたい」と考えるのであれば、インデックスファンド以外のもの――アクティブファンドと呼ばれています――も組み込んでみる。チェーン店だけでは得られないような満足感を楽しめるかもしれない、ということですね。

 白鳥:「どんな料理が出てくるんだろう?」というワクワク感を味わえるけど、「お口に合わないかもしれないですよー」ということなんですね。でも、そういう冒険を楽しめるんなら、チョイスするのもありですよね~。悩むなぁ。

 あとガイドブックにある「バランス型」という言葉も気になります!

篠田:これは、レストランで言えば「おまかせコース」のようなイメージですね。

白鳥:ということは、「これだけのお金を出すので、おいしいものを出してください!」という要望に応えてくれる、みたいな?

篠田:しかも、肉も野菜も魚もデザートも食べられる、バランス良くフルコースで出してくれます。

白鳥:魅惑的ですねぇ。

篠田:バランス型も、コースの種類は様々です。フルコースだけでなく、サラダとお食事だけで簡単に楽しめるコースもあるように、それぞれの投資信託の特徴を確認した上で選ぶと良いですよ。

白鳥:あの、「コモディティ」ってなんでしょうか。それと「ターゲットイヤー型」というのもネーミングからして、魅惑的に感じます。

篠田:さすが、目のつけどころがいいですね!

 コモディティと表記されている投資信託の商品名を見ると「ゴールドファンド」とありますよね。つまり、金(きん)やプラチナのような、実物資産に投資する商品のことを指しています。

 ターゲットイヤーというのは、2030年や2040年など、特定の年を「ゴール」に設定して運用される投資信託です。ご自身がお仕事からリタイアして、年金を受け取り始める年を「ゴール」(=ターゲットイヤー)に置き換えて考えると分かりやすいかもしれません。具体的には、ゴールに近づくにつれて株式の比率を少しずつ下げる一方、債券の比率を引き上げていくという運用を行います。バランス型の一種で、おまかせで全部やってくれるため、これ1本でも問題ありません。

白鳥:将来設計をしやすそうですね。

篠田:そうですね。1本だけ選んで、そのあとは何も考えたくない! という方に向いていますね。

 さて、最後は「定期預金」ですね。楽天証券のiDeCoでご用意している、唯一の元本確保型商品です。一般的な銀行で提供されている定期預金と同じで、これといった特別な仕組みはありません。こちらも、そのほかの投資信託商品と組み合わせていただくことができます。

白鳥:すご~い! ガイドブックの中身が、ちゃんと頭に入るようになってきました!

【ホームルーム】マネ活投資塾 本日の振り返り

白鳥:iDeCoの申請が受理された後にこのガイドブックを見てみたんですが、何が何やらさっぱり分からず、「難しい~」と感じてそのまま閉じちゃいました(笑)。でも、管理費用は運用をお任せする対価、「インデックスファンド」はチェーン店、「バランス型」はおまかせコース、などレストランに例えてもらったのでとても分かりやすかったです。

 あとは、どう組み合わせるかですね。理想的な比率をじっくり考えていきたいですね。

篠田:白鳥さんの質問や目のつけどころが鋭くて驚きました。「本当に初心者?」と思ってしまいましたよ(笑)。

 キーワードさえ押さえておけば、ガイドブックの解説の意味、実際に商品を選ぶサイトの内容も理解できるようになるので、白鳥さんが何を選ばれるのか楽しみです!

篠田 尚子さん
楽天証券経済研究所 ファンドアナリスト

慶應義塾大学法学部卒業、早稲田大学大学院ファイナンス研究科修了。国内銀行で資産運用関連業務に従事後、ロイター傘下の投信評価機関リッパーで市場分析担当、ファンドアナリストとして活躍。2013年より現職。トウシルでも初心者向け人気記事「マネーシフト初心者篇」を連載中!

 

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