9~12月の相場イメージ

 以上の秋の波乱リスク要因を、時期別に整理すると、経済の重さは9~12月を通じてジワジワ意識され、ワクチン承認のニュースに一喜一憂させられるのは9~12月の折々に、でしょう。米大統領・議会選挙は11月3日で確定しています。この時間軸の中で、秋の波乱リスクへの警戒を9月に前倒しして注視しています。

 これまでは「9~10月から警戒」としてきました。海外ファンドには11月末決算のところが少なくありません。彼らの決算前の利益確定売りが10月辺りから相場をきな臭くする展開は過去にも多々ありました。今年は、コロナ禍の金融相場が半年ほど進んだところで、先述の3つのリスク要因がぶつかります。期待主導相場は、具体的に理由付けできそうな材料より、リズムで動意付くことがあります。それだけに、足元の相場上昇が速まるほど、こうした利益確定売りが前倒しになる恐れありと警戒します。

 金融相場の9月警戒から先、10月底堅さ、11~12月復調という見立ては、予想というより、相場を観測フォローするための基本イメージです。金融相場が多少ぐらついても10%前後まではつむじ風のうち。ここで崩れることはメイン・シナリオにならず、経済の重さ、ワクチンの成否、米選挙の結果を受け止めたうえで、11~12月には復調し、2021年の堅調相場へ至るという流れを基本スタンスとして、観測フォローを継続します。