10月の株主優待銘柄

 2020年10月の優待株は、権利付き最終日が10月28日(水)、権利落ち日が29日(木)、権利確定日が30日(金)です。10月28日(水)までに株を買って、翌29日(木)まで保有することが優待権利を得るために必要です。

 9月の優待繁忙期も過ぎ、10月の優待株は33銘柄※と少なくなります。優待株の少ない月は、ごく少数の人気銘柄に買いが集中して株価がかなり上昇し、権利落ち後に急落するケースも多いのでご注意ください。

 さらに、コロナ・ショックによる業績悪化から、優待制度の廃止・改悪をする優待企業が例年より増えています。レストランや居酒屋など外食系や旅行、運輸関連は、まだ、新型コロナによる売上の落ち込みが回復できていない分野もあります。

 3月決算企業の中間期決算発表が始まる10月下旬以降は、株式市場全体の乱高下も予想されます。既存店売上高の回復なども個別にチェックして、落ち込みの激しい優待企業への投資は避ける、といった自己防衛策も必要になりそうです。※楽天証券 株主優待検索より

 10月権利確定の優待ランキングは、継続疑義注記つきの銘柄と連続赤字かつ株価が低迷中の銘柄はランキングから除外しています。

 10月優待人気第1位となったのは貸駐車場のパーク24。年1回、100株保有で2,000円分のタイムズチケット(1枚500円分)が贈呈されます。全国のタイムズパーキングのほか、レンタカーや東京・池袋にある温浴施設の利用にも使えます。

 コロナで駐車場やカーシェアリング事業が落ち込んでいますが、5月に前期比66%まで落ち込んだタイムズパーキングの売上高は7月には86%まで回復するなど、最悪期は脱しつつあるようです。

 第2位は、こちらもコロナの影響が深刻な旅行会社のエイチ・アイ・エス。4・10月の年2回、旅行商品1万2,000円以上の支払いで1,000円分ずつ使えるHIS株主優待券2,000円分の他、長崎のハウステンボスや愛知県蒲郡のラグーナテンボス入場割引券各500円がもらえます(100株保有の場合)。

 同社の売上の柱である海外旅行取扱高は6月も前年同月比99%減、国内旅行も約96%減といまだ回復の兆しが見えません。政府が7月から実施しているGo Toトラベルキャンペーンの恩恵がどの程度あるのかに関心が集まりますが、秋の行楽シーズンも旅行に関して自粛ムードが続きそうです。

 第3位は「業務スーパー」を展開する神戸物産です。年1回、100株保有で業務スーパー商品券1,000円分が贈呈されます。

 3年以上継続保有すると商品券が3,000円分に増額。同社はコロナによる自宅での調理需要の増大もあって、逆に業績は絶好調。株価も今年年初から7割近く上昇し、この優待人気ランキングでも上位に食い込むような人気銘柄になりました。

 長期保有すると、大きな値上がり益を得られたうえに、優待券も増額される、まさに優待株投資の理想的な対象銘柄になっています。

 第4位は投資用不動産会社のグッドコムアセットのプレミアム優待倶楽部優待です。6カ月継続保有という条件がつきますが、10月と4月の年2回、各2,000ポイントが贈呈され、プレミアム優待倶楽部の2,000点以上の商品と交換可能。

 ポイントは最大3年間有効ですので、何期分か貯めて豪華賞品を選ぶこともできます。優待ポイントをWILLsCoinに交換して、同じプレミアム優待倶楽部に参加する優待企業のポイントと合算したり、有効期限の延長もできます。

 第5位は注文住宅メーカーの日本ハウスホールディングス。優待は1,000株、約26万円の投資金額からになりますが、同社のグループ会社のホテルが販売するカレーギフト4点が10月末株主に年1回贈られます。ビーフ、チキン、ブラックカレーなど食べ比べができる内容になっています。今期は新型コロナによる子会社ホテルの休業や住宅受注減で中間配当はなく、期末配当も未定ですが、従来は配当利回りの高い株としても知られています。

 第6位は総菜販売のロック・フィールド。4月、10月の年2回優待で、10月は100株以上、一律で1,000円分のおそうざい券がもらえます。4月は200株以上が条件となり、200株5年未満の保有で1,000円分になります。抽選になりますが、株主に対してファクトリー・オフィス見学会を実施しており、工場見学や試食会が楽しめると評判です。

 第7位はeラーニングのクシムのクオカード優待。半年間以上の継続保有が条件で10月末の年1回、100株保有で500円分のクオカードが贈呈されます。同社は、コロナによる自宅学習の普及で業績も好調で株価も上昇しています。

 第8位はITを駆使した営業支援などを行うギグワークス。10月、4月の年2回、100株保有で一律、こども商品券1,000円分か、同社がマイニングした仮想通貨「ビットコイン」1,000円相当、もしくは児童支援団体への寄付の3つからの選択制になります。