株価急落後は買えなかった株の買い時にもなりうる

 筆者は、25日移動平均線を割り込んだ銘柄はルールに従い、淡々と売却しますが、その一方、株価が調整して25日移動平均線からのかい離が小さくなっている銘柄については、新規の買い時として捉えることも多いです。

 買おうと思っていたが株価が急騰してしまい買いそびれてしまった…こうした株が株価調整により25日移動平均線からのかい離が小さくなっているなら、これは見逃すべきではありません。

 株価の調整は浅いかもしれないし、深いかもしれない。もし浅い調整で済むのであれば、現時点で株価が25日移動平均線に近づいている銘柄については逆に買い時と言えます。

 もちろん、株価の調整が深いものとなれば、25日移動平均線からのかい離が縮小した銘柄を買っても、その後さらに下落してすぐに移動平均線を割り込んでしまいます。その場合は速やかに損切りを行って損失を最小化しておく必要があります。

株価急落への事前の備え(1)逆指値注文

 株価が急落することに対して事前の備えも重要です。「逆指値注文」の活用も一つの手です。

 例えば、現在の株価が1,050円、25日移動平均線が1,000円の銘柄があるとします。もしこの状況で、株価が突如急落して750円まで値下がりしてしまうと、非常に大きなダメージを受けることになります。

 そこであらかじめ、25日移動平均線から少し下の980円まで値下がりしたら売りとする逆指値注文を入れておくのです。

 そうすれば、突然の急落となっても、980円か、それを少し下回る水準で売却することができますから、損失を最小限に抑えることが可能となります。

 ただ注意したいのが、取引時間中に一瞬大きく下がったが、その後すぐに元の水準に戻ったような場合です。上の例で、一時株価が急落して1,050円から900円になったが、その後1,050円までその日のうちに戻ったとすると、980円近辺で持ち株は売れてしまっているのです。

 こうしたデメリットもありますので、やみくもに逆指値注文を出すのはあまりお勧めしません。例えば25日移動平均線からのかい離が小さい銘柄に限って逆指値注文を出すなど、少し工夫することが必要となります。