4 SANKYO(6417・東証1部)

▼どんな銘柄?

 パチンコ・パチスロ機の大手メーカーで、パチンコ機では販売台数シェア第2位となっています。フィーバー機の投入など、開発力の高さに定評があります。

 ヒット機種の有無によって業績変動のリスクは大きくなっていますが、年間配当金150円の安定配当は続けています。自己資本比率84%台、無借金経営など財務体質も極めて良好です。

▼業績見通し

 2021年3月期営業利益は37.5億円で前年同期比43.5億円の損益改善となりました。「フィーバー戦姫絶唱シンフォギア2」、「フィーバー真花月2 夜桜バージョン」の二つの新規タイトルの販売が好調で、売上高が大きく伸長しました。

 通期予想も新たに公表、営業利益は80億円で前期比36.6%減益の見通しとなっています。第2四半期に新規タイトルの投入はないようですが、10月上旬には人気シリーズの「PフィーバークィーンⅡ」を投入予定でもあり、上振れ余地は大きいように考えられます。

▼ここがポイント

 2020年に入って、警察庁が「技術上の規格解釈基準」を変更したことで、これまでにないゲーム性を有するパチンコ機が開発可能となっています。今後、新基準機の投入が活発化していくことで、同社の高い開発力が活かされる展開となっていきそうです。

 また、コロナショック後の株価の反発力が極めて鈍く、今後は出遅れ感の強さにも関心が向かうものとみられます。

5 出光興産(5019・東証1部)

▼どんな銘柄?

 石油元売り業界で第2位の位置づけです。2019年4月に昭和シェル石油と合併して、現在の体制となっています。

 原油処理能力は1日当たり94.5万バレル、国内燃料油販売総量は年間で4,200万キロリットル、国内でのSS数は6,400カ所あります。

 世界シェアトップの有機EL発光材料など、高機能材事業も手掛けています。

▼業績見通し

 2021年3月期第1四半期営業損益は708億円の赤字で、前年同期比1,000億円以上の損益悪化となりました。

 ただ、原油市況の一時的な急落による在庫評価の影響を除いたベースでは236億円の黒字で、前年同期比では27%減益の水準でした。一方、ベトナムなど持分法投資損益は前年同期比255億円の悪化となっています。

 通期では600億円の営業黒字見通しですが、足元の原油相場から在庫評価損は軽減されるとみられ、達成可能な数値と考えられます。

▼ここがポイント

 今期の年間配当金は120円と公表、前期比40円の減配となりましたが、市場が過度に懸念していたほどには減少せず、当面の悪材料出尽くしと捉えられます。

 相対的な株価の出遅れ感は依然として強く、今後は見かけ上の営業利益の回復を確認する形で見直しの動きが進む可能性がありそうです。

 東レと共同開発した新材料を2022年に発売予定であるなど、有機EL関連分野の拡大期待も折に触れて期待材料とされていきそうです。