原油市場には、下落要因を相殺するだけの上昇要因が存在している
テドロスWHO事務局長の“終わりの始まり”発言があっても、バイデン氏が自身のエネルギー政策を示したり、コロナ禍におけるESGやSDGsの議論が出始めたりしても、原油市場は40ドル台をはさんだ、小動きのままです。なぜなのでしょうか。
以下の通り、確かに下落要因はありますが、同時に上昇要因も存在しています。つまり、下落要因と上昇要因が打ち消し合い、その結果、小動きとなっているとみられます。
図:足元の原油相場の変動要因(2020年7月時点)
“新型コロナ”、“米中関係”、“OPECプラス”、“世界の石油事情”という、4つの切り口、いずれも、上昇と下落、両方の要因が存在します。
上昇要因で最も注目しているのは、米シェール主要地区の新規の原油生産量が急減している可能性がある点です。