トルコリラは「マイナス金利」

 トルコ中央銀行は直近1年間で10回も利下げを実施しています。1年前に24.00%だった政策金利は、現在8.25%まで低下しました。実質金利(政策金利から消費者物価を差し引いたもの)はすでに「大幅なマイナス」で、トルコの政策金利は世界最安といってもいいのです。

 これの何が問題かというと、第一に、国内の預金者はリラで貯蓄をすると目減りするばかりなので、預金をリラからドルに換える動きが強まっていることです。その金額は7月だけで30億ドル相当といわれています。トルコ国民が資産防衛のためのリラ売りを急いでいるのです。第2の問題は、信用の低い通貨の国が、利下げなどの低金利政策を積極的に行うことで、投資マネーの流出を招き、パニックが増幅するリスクが高まることです。民間、機関投資家問わず、全てのチャンネルでトルコリラからの逃避が起きているのが現状です。