25日移動平均線まで下落したNASDAQ、決算を経て上昇できるか

 また、25日移動平均線といえば、今週は米NASDAQの動きが注目されます。

■(図4)米NASDAQ(日足)の動き(2020年7月24日取引終了時点)

出所:MARKETSPEEDⅡを元に筆者作成

 米NASDAQも先週21日(火)に市場最高値を更新して以降、軟調となって25日移動平均線のところまで下落しています。5月からのNASDAQは25日移動平均線がサポートとして機能しており、今回も同様の展開となるかが今週の注目点のひとつです。

 また、トレンドラインで見てみると、NASDAQの上昇基調は3月下旬から4月にかけてのライン(1)と、その後のライン(2)に分けられますが、先週末時点でライン(2)を下抜けしつつある状況です。ちょうどこの株価水準は、6月23日の戻り高値や、直近高値である7月13日、21日の押し目でもあり、いわゆる「ダブル・トップ」のネックラインとして意識されるところでもあります。

 今週は、NASDAQに上場しているフェイスブックアマゾンアルファベット(グーグル)のいわゆる「FANG」銘柄をはじめ、アップルなどの決算が予定されていますが、決算を経てNASDAQが上昇できるかが注目されます。逆に下落してしまうと、ダブル・トップの形成によって、ムードの悪化が強まってしまう可能性があります。

 今週は国内でも多くの企業で決算発表が相次ぎますし、この他にもFOMC(米連邦公開市場委員会)の金融政策会合に、米4-6月期GDP速報値、中国7月PMI(購買担当者景気指数)といった経済指標もあるため、かなりイベントが盛りだくさんです。コロナウイルスをめぐる情勢も含めて相場を取り巻く環境は不透明ですが、業績を手掛かりとした個別物色が資金の行き場となって、相場が保たれるかどうかが問われる週となりそうです。