連休中の米国株市場と中国株市場も軟調
また、連休期間中の米国株市場や中国株市場も軟調に推移していました。
■(図2)米NYダウ(日足)の動き(2020年7月24日取引終了時点)
先週の米NYダウ平均株価は、ワクチン開発や追加の経済政策などへの期待、企業決算動向などを背景に前半は堅調に推移していましたが、後半からは米中対立への懸念で失速する展開でした。
一応、株価は25日と200日移動平均線の上をキープしており、今のところ相場が崩れる気配は見せていませんが、2月12日高値と6月8日高値を結んだ上値ラインを抜け切れず、上値の重たさが感じられる状況となっています。
気掛かりなのは、週末にかけて相場の足を引っ張る材料となった米中関係です。米中両国で一部の領事館が閉鎖される事態となっていますが、最近の米中対立は政治的な色彩が濃くなっています。米国の中国に対する攻撃対象は、香港国家安全維持法成立による「一国二制度」のゆらぎから、南シナ海の海洋進出、ウイグル自治区の人権問題、国内外でのスパイ行為疑惑などが挙げられます。
もちろん、こうした対立の裏には11月の米大統領選挙を控えた思惑がありそうです。政治と経済を切り離す考えが前提ならば、ここから先の経済的制裁は限定的にとどまる可能性が高いとみることができます。
ただし、対立の根底には、お互いに譲れない、もしくは引き下がれない部分が存在しています。両国の対立が政治的な駆け引きの段階にとどまっているのであれば、さほど心配する必要はなく、株価の下落材料として限定的になると思われますが、「振り上げた拳を下せない」ところまで発展してしまうとかなり危険になります。足元で語気を強めている米国の本気度がまだよく分からないため、しばらくは何かにつけて相場の重しになりそうです。
こうした状況を受けて、中国上海株市場も24日(金)の取引で大きく下落しています。
■(図3)上海総合指数(日足)の動き(2020年7月24日取引終了時点)
上海総合指数は7月に入ってから加速度的に上昇してきましたが、ひとまず25日移動平均線のところで様子見といった印象です。