今週の見通し

 先述のとおり、先週は全体的には“中立的だった”と言えます。上昇が目立った銘柄は、産業用の用途の割合が比較的高い貴金属と、それらを後押しした日米の主要株価指数などでした。下落した銘柄には、どのような銘柄が挙げられるのでしょうか?

 ナスダック、上海総合指数、銅、などがそれにあたります。これらの共通点は、“コロナ・ショック後、反発が目立ったこと”です。

 コロナ禍でも活躍できるハイテク企業の株価を指数化したナスダック、経済大国の中でも明確に第1波を超え、今後の世界経済の立て直しを主導することが期待される中国の株価指数である上海総合指数、そしてその中国が消費のおよそ半分を占める

 これらは2月下旬から3月中旬にかけて起きた“コロナ・ショック”後に、大きく反発した銘柄たちです。総売りとなったコロナショックからの、全体的な回復を主導したのがまさにこれらの銘柄であり、先週下落したのも、これらの銘柄、というわけです。

 米国では、先週、新型コロナウイルスによって受けたダメージから経済を回復させるためのさらなる対策が導入されることが決まり、NYダウS&P500の反発が目立ちました。ナスダックなどが下落しても、ジャンルを横断した23銘柄全体が下落していないのはこのためです。

 とはいえ、これまで全体的な回復を主導してきた銘柄たちが、先週、そろって下落したことは、気にかかります。

 今後、実態をできるだけ正しく把握する上で、思惑(正の思惑は期待、負の思惑は懸念)を生みだす、世界各地の新型コロナウイルスの感染状況、各国の経済対策、世界全体の回復をけん引する期待が集まる中国の経済動向などを注視することが必要ですが、同時に、実態(数字が示す客観的な情報)を注視することもまた、必要です。

 今週は、7月20日(月)に、ユーロ圏の5月の経常収支、21日(火)に、カナダの5月の小売売上高、24日(金)に、英国の6月小売売上高、フランス、ドイツ、ユーロ圏、英国、そして米国の7月の製造業購買担当者景気指数(PMI)が公表されます。引き続き、各種、景況感を示す経済指標に、注目です。

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