どこまで悪い?世界の4-6月期GDP成長率
4-6月期GDP成長率がいよいよ今週16日から発表予定です。7月16日の中国をはじめ、米国は30日、ユーロ圏は31日、日本は8月17日の公表予定です。いよいよロックダウン時と経済活動再開時とが合わせ持ったGDPが発表されますが、どのような数字になるのか注目です。
中国の予想平均値は+1.1%(振れ幅▲5.2~+3.6%)と、前期の▲6.8%からプラスに転じていますが、通年の予測でも+1.6%程度であり、V字回復は期待できないようです。
欧米のGDP予想はマイナス20~40%と幅広い落ち込みとなっていますが、発表された数字が予想よりよかったかどうかではなく、発表時点の感染者数と死者数の傾向によって、楽観が勝つのか悲観が勝つのかどうかに、注目したいと思います。先行きに悲観的な見方が広がると株は下落し、ドル/円も円高に動くと予想されます。
日本の4-6月期GDPについては、9日、日本経済研究センターが民間エコノミスト35人による予測をまとめました。これによると日本の4-6月期GDPの平均は前期比年率▲23.5%となっています。リーマン・ショック後(2009年1-3月期▲17.8%)を上回る落ち込みとなる見通しです。そして、7-9月期予測は+9.4%とプラスに転じますが、その後は10-12月期+4.7%→2021年1-3月期+3.4%と鈍化していく見通しとなっており、2020年度通年では▲5.4%となっています。
7月に入って、東京都の新型コロナウイルス感染者数が4日連続で200人を超えてきました。ここ数日は200人を割ってきましたが、100人を超えている状況です。このまま政府や東京都の静観が続くと、この先300人、400人と増えるのではないかと危惧されます。もし、このまま増加が止まらなければ、政府や東京都には頼れないと個人個人が考え、自主的に外出や飲食を控え、企業もテレワークに逆戻りさせてくることが予想されます。そうなると小売り、外食、観光はさらにダメージを受ける可能性があり、7-9月期GDPのプラス転予想を困難にするかもしれません。
日本のGDPは1カ月先ですが、感染者の増加が抑制されなければ、GDPの発表を待つまでもなく株式市場の重しになってくる可能性がありそうです。