円高の背景
先週のドル/円は107円台が徐々に重たくなり、久方ぶりに106円台で週を終えました。
この円高は二つの背景があります。一つは日本の損保が集中豪雨被害による保険金支払いに備え、海外資産を売却して円資金を捻出するとの思惑と、もう一つは中国の政府系ファンドが保有株を売却する予定を発表し、中国当局が連騰している上海株を抑える動きに出たことです。上海株は下落し、ドル/円も106円半ばまで下落。しかし、欧米市場では米独のワクチン開発の進展期待で株価が上昇したことから、ドル/円も買い戻されました。
今週に入り、ドル/円は107円を挟んで動いています。株価に左右されながら上下に動いていますが、上下とも勢いはない相場です。しばらくは1ドル=106~108円を中心レンジとして動きそうですが、もし、レンジをブレイクしていくとしたら、下方を警戒するような兆しが出ています。それは米国の経済活動再規制と、一線を越えた米中対立です。