含み益のある銘柄はどう対処するか

 今回のコロナ・ショックの前は株価が結構高い水準にありましたから、含み益のある持ち株があった方も多かったと思います。

 実は、損切りはルールを決めてそれを実行するだけなので、心理的抵抗さえ克服できればそれほど難しくありません。急落時は、含み益を有する持ち株の対処法の方がはるかに難しいのです。

 たとえ、長期保有目的で買って十分に含み益がある銘柄であっても、株価急落により含み益が吹き飛び含み損に転落したら、損切りは必須です。その後株価が下げ止まってから再び買い直すべきです。
「長期保有」を理由に含み損をかかえたまま持ち続けるのは、塩漬け株発生の原因となるため厳禁です。

 また、含み益が全て吹き飛んで「取らぬ狸の皮算用」になってしまうことを防ぐために、長期保有目的だとしても、株価が2倍に上昇したら持ち株の半分を売るなど、特に株価が短期間に大きく上昇した銘柄は上昇局面である程度の利益を確定させておいた方がよいでしょう。

 基本的には上昇トレンド終了の可能性が高まった時点で利食いしておくべきです。例えば週足チャートを使い、13週移動平均線を株価が割り込んだら利食い、もしくは日足チャートで25日移動平均線を株価が割り込んだら売り、というようにです。

 今回の急落局面では、特に新興市場銘柄など短期間に大きく値を飛ばしたものは、上昇局面で一部は利益確定売りを出しておくとともに、残りの持ち株も25日移動平均線を割り込んだら利食い、とするのが有効でした。

 次回は、株価急落時の「買い」のポイントや注意点について説明します。
「売り」「買い」そして「損切り」(その2)