スピード調整後、株価はどちらに向かう?

 それではスピード調整が終わった後に、株価はどちらに向かうのでしょうか? 現時点では「どちらも有り得る」としか言えないのですが、下落に転じるにせよ、再び上値をトライするにせよ、目先で注目されるのは、それぞれの「トレンドブレイク」ラインです。

■(図2)日経平均(日足)の動き その2(2020年6月19日取引終了時点)

出所:MARKETSPEEDⅡを元に筆者作成

 まずは、上昇のトレンドブレイクラインから見ていきます。

 トレンドは上げ下げを繰り返しながら形成されていきますので、上昇トレンドであっても下落する場面が当然ながら出てきます。いわゆる「調整」と呼ばれるものですが、その調整による下落が止まった際に、直近の高値同士を結んだトレンドラインを描き、そこを上抜けたら買いのサインという見方があります。

 実際に、3月下旬からの日経平均の上昇トレンド局面に当てはめてみると、上手くトレンドに乗れていたことが分かります。

 先週の15~16日の値動きでいったん下落が止まったと考えれば、9~10日の高値を結んだ線が次のトレンドブレイクの目安として描くことができ、まずは2万3,000円近くまで戻すことが必要になります。

 反対に、下落のトレンドブレイクについては、15日(月)につけた直近安値(2万1,529円)が目安になります。図2を見ても分かる通り、最近までの上昇トレンドは下値切り上げながら形成されてきました。直近安値を下回ってしまうと、これまでの基調が崩れることになります。また、同時に25日移動平均線の下抜けも重なりそうなため、さらなる下げ幅の拡大に気を付ける必要が出てきます。

 そのため、今週は上下のトレンドブレイクを気にしつつ、日柄調整が進んでいくというのが基本的な想定シナリオとなりそうです。