新旧両“金価格上昇要因製造機”が今後も金価格を押し上げる要因に

 今後の展開を考えるとき、“旧”金価格上昇要因製造機が、引き続き、上昇要因を製造し続けるのか、がポイントです。

 トランプ大統領の支持母体でもあるキリスト教福音派の要人が、トランプ氏を非難し始めていることからもわかるとおり、新型コロナウイルスの感染拡大や、黒人殺害事件後のトランプ大統領の行動・言動は、非常に攻撃的になっています。

 あえて敵を作り、誰かを、あるいは何かを攻撃する行為は、それを見ている“一部の”同調する人々の心に火をつけることがあります。さまざまな人・物を攻撃するトランプ大統領は“一部の”人々からの支持(というよりは忠誠)を強固なものにしていると、筆者は感じます。

 このような支持層は“岩盤層”とも言われます。このような、“忠誠のような支持”を何が起きても壊れない強固なものにしながら、秋の公開討論会でのバイデン氏との一騎打ち、そして11月3日(火)の選挙に向かっていく、と考えられます。(公開討論会や選挙の日程は現時点の予定)

 忠誠のような支持を強固なものにするために、トランプ氏の行動・言動は、今後さらに過激になる可能性があります。この場合、“有事のムード”の側面から、金価格の上昇要因が生まれます。その意味では、“旧”金価格上昇要因製造機も、引き続き、上昇要因を提供し続ける可能性があります。