複雑な投資パズルも前向きに解を導け

 投資スタンスを整理します。まず足元の株高は、期待先行で進んでいます。3月時点で立てた想定イメージ「3月下旬~4月堅調、5月調整、6~8月ミニサマーラリー」を基本軸として、短期相場は後半戦と見ています。短期投資家なら早期購入分を部分的に利食い売りするのも一案ですが、中長期の資産形成につなげる意識も肝要と判断します。

 想定どおりに中期的に経済が重い場合、悲観的ケースであるほど、政策による下支えが続き、コロナ治療薬・ワクチンのメドと共に、視界が上方に広がります。経済の低迷が2年続けば、それだけ長く時間分散でポジション形成がなされるので、4年、5年後に大きな花を咲かせる可能性が高まるとの前向きイメージを抱けます。

 マクロ経済が重くても、果敢な政策がより早くから株式など資産価格を押し上げる目もあります。新型コロナウイルスの思わぬ早期終息で過剰政策バブルが発生する可能性10~20%も、シナリオから排除していません。投資ポジションは、こうした相場上振れの可能性も加味して、構築すべきでしょう。さらに、マクロ投資以上に、ミクロ投資に有望テーマを見出す楽しみも多い情勢です。

 以上を総括すると、速い短期相場に多少警戒しつつ、中長期投資ポジションの構築を地道に前向きに進めるのが妥当との判断は変わりません。短期-中期-長期、マクロ-ミクロ、デフレ-バブル…、軸の多い投資パズルは一見複雑に思えるかもしれませんが、前向きの視座を定めるだけで、視界は意外とスッキリするでしょう。解を見つける醍醐味が大きい場面です。