値下がりを続ける中の買いで個人投資家が撃沈

 しかし、コロナ・ショック後の上昇で、日経ダブルインバース上場投信の株は、大きく下落しました。

 今でも日経ダブルインバース上場投信に買い向かっている投資家がいますが、損失が膨らみ続けていると思います。

 添付の株価チャートをみると、4月初旬に25日移動平均線を割り込み、下降トレンドに転じたあとは、ずっと下降トレンドが続いています。筆者であれば、絶対に買わないチャートの形です。しかしこんな中をナンピン買いで買い向かっている個人投資家が相当数いるのです。

NF日経ダブルインバース上場投信 (1357) 2020年1月~6月10日

 投資スタイルや投資手法は人により異なりますので、筆者の考え方が正解というわけではありません。でもやはり、いくら今後の日本株は下がると予想したとしても、下降トレンドにあるうちは買いを入れない、というのが重要だと思います。それだけで、損失の拡大を避けることができます。

 もし日本株が本格的なバブル相場となれば、日経ダブルインバース上場投信は今後も下がり続けることになります。もし保有していれば、さらに損失が膨らんでしまいます。

 そうならないためには、下降トレンドの間は手を出さず、上昇トレンドになったら買うようにすればよいのです。

 確かにファンダメンタルの面でみれば、株価がここまで上昇するのはおかしいと思うのが自然です。筆者だってそう思います。

 でも、現に株価は大きく上昇しているのです。急落相場やバブル相場では、ファンダメンタルを軸に考えると、逆に大失敗してしまうことを肝に銘じておいてください。