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5月の日経平均:懸念材料への反応は限定的。月後半にかけ上げ幅広げる

 5月の日経平均株価は8.3%の上昇と前月に続いての続伸となり、上昇率は前月を上回りました。25日移動平均線水準が下値支持となる形になり、月後半にかけて上げ幅を広げる動きとなりました。

 5月19日には75日線、28日には200日線も突破する状況となっています。月末時点では、コロナ・ショックによる急落が始まる直前の2月21日から3月19日安値までの下げ幅に対して、78.5%の戻りとなっています。

 月前半には2万円の大台達成に伴う達成感から利食い売りも先行しましたが、その後は、世界的な経済活動再開に向けた動きを評価する動きが続きました。

 米国雇用統計が大幅に悪化しましたが、最悪期は通過としてネガティブに捉えられませんでした。国内でも、緊急事態宣言が全面的に解除された他、第2次補正予算への期待感なども高まりました。

 折に触れて米中摩擦の激化が意識されましたが、大きな株安要因にはつながりませんでした。5月末は決算期末のヘッジファンドが多いともみられており、月後半の上昇は売り方の買い戻しの勢いが強まったことも一因と考えられます。

 個別銘柄については、2020年3月期の決算発表に関心が集まりました。通常では月中には発表が一巡しますが、今年は新型コロナの影響で月末にかけて発表がばらける形となりました。

 注目された新年度の業績見通しは大半の企業が非開示とし、不透明感を残す形になっていますが、全般的に嫌気する動きは限られました。前期実績値の上振れなどは素直に評価材料へとつながった印象です。

 トヨタ(7203)が決算で四半期別の販売見通しを示したことなどは話題になりました。観光関連や飲食関連など、コロナ・ショックで売り込まれた銘柄に、一斉に買い戻しの動きが向かう場面も見られました。