外国人が日本株を買い戻し始めている?

 2月25日からコロナ・ショックで日本株を暴落させたのは、外国人投資家でした。3月23日以降、日経平均は急反発していますが、5月15日まで、外国人は一貫して日本株を売り越しています。ただし、5月の後半は、買い戻しに転じている模様です。

外国人投資家の日本株売買動向(売買差額):2020年2月25日~5月22日

出所:東京証券取引所「主体別売買動向」より作成

 まだ、統計データが出ていませんが、日経平均が1,489円上昇した5月最終週(25~29日)には、外国人投資家が、日本株を大幅に買い越していると推定しています。日本株は、外国人から見ると「世界景気敏感株」であり、先行きの世界景気回復を織り込んで、外国人は日本株の買い戻しに入っていると考えています。

 経済を再開しつつある日本・米国・欧州・中国で、新型コロナ感染が再び拡大したらどうなる、という不安もあります。ただ、それでも、もはや再び都市封鎖することはない、との見方が広がっています。都市封鎖のコストがいかに大きいか、世界中が骨身に染みてわかった今、ワクチンが完成して普及するまで、コロナと共存(ウィズ・コロナ)しながら、経済を動かしていくしかない、との社会的コンセンサスができつつあると考えています。

 世界の株式市場は、ウィズ・コロナで経済の回復が続くシナリオを織り込み始めています。