4 三菱UFJリース(8593・東証1部)

▼どんな銘柄?
 リース業界の大手企業で、営業資産残高は5兆円強の水準になっています。国内・海外カスタマービジネス、航空事業、不動産事業、ロジスティック事業、環境・エネルギー事業、ヘルスケア事業、インフラ・企業投資事業が主要セグメントとなっています。

 3月に発表した2023年3月期までの中期計画では、当期利益850億円以上、配当性向30%台継続などを掲げています。

▼業績見通し
 2020年3月期第3四半期累計営業利益は789億円で前年同期比36.2%増と大幅増益、通期計画1,780億円、前期比12.4%増に対して順調な進捗となっています。不動産や航空関連などの売却益増加による粗利益の増加が増益決算の主因となります。

 その他全セグメントで部門利益は増加しています。会社側の通期計画においては、第4四半期での貸し倒れ関連費用なども見込んでいるもようです。

 一方、新型コロナウイルスの感染が世界的に拡大している中、2021年3月期業績はやや不透明感が残ります。

▼ここがポイント
 世界景気悪化に伴う先行き懸念から、足元の株価の戻りは相対的に鈍い状況となっています。一定程度は2021年3月期の業績悪化は織り込まれている状況といえるでしょう。

 新しい中期計画での取り組みとしては、ZMPと事業提携して開始した自動運転実証実験プラットフォームのシェアリング事業、新たに参入したホテル運営ビジネスなどが注目されます。

5 USS(4732・東証1部)

▼どんな銘柄?
 中古車オークション会場運営のトップ企業で、全国に19会場を有しています。市場シェアは2018年実績で約40%です。

 会員数は、現車オークション会員48,886社、衛星TVオークション会員2,404社、インターネット会員31,983社、中古自動車買い取り店157店舗などとなっています。

 2019年3月期実績で出品台数は約293万台、成約台数は約182万台です。また、中古車買い取り専門店も手掛けています。

▼業績見通し
 2020年3月期第3四半期累計営業利益は267億円で前年同期比1.3%減益となっています。通期計画は370億円で前期比0.3%減益の見通しです。オートオークションにおける成約率の低下で、オークション手数料が減少していることが減益決算の背景です。

 3月にかけては成約台数の前年比減少率が拡大しており、通期予想達成にはやや不透明感も残る形とみられます。

▼ここがポイント
 株式上場以来連続増配を続けていますが、2020年3月期からは連結配当性向を50%から55%に引き上げています。安定的な増配傾向とともに、機動的な自己株式の取得も行っており、株主還元意識の高さがうかがい知れます。

 また、今後は景気悪化による個人消費マインドの低下によって、新車から中古車への需要シフトの動きなどが注目ポイントとなってくるでしょう。