緊急事態宣言長期化は日本株の相対パフォーマンス低下に

 当初5月6日までとされた緊急事態宣言は延長されました。

 日経平均がいったん2万円の大台を回復した中で、さらなる経済活動の停滞を警戒視する動きは強まりそうです。政治への不信感が一段と強まりそうなことも、株式市場にはネガティブな影響を与えるでしょう。

 一方、欧米では経済活動の再開に向けたスタンスが強まっており、金融緩和や景気刺激策による好影響を織り込む動きは今後も継続する公算です。これは日本株にとっても支援材料となりますが、相対的にパフォーマンスは低調となる可能性が高そうです。

 今回の2020年3月期決算発表では、ガイダンスが非開示となる銘柄が多く、公表時期は第1四半期決算発表前後が多くなると考えられます。そのため、第1四半期決算発表が本格化する7~8月にかけては、あらためて業績水準低下に対する警戒感が強まる場面も到来するでしょう。

 決算発表一巡後は、売り込まれた銘柄のリバウンドよりも、2021年3月期の増益ガイダンス発表銘柄をあらためて物色する流れが強まりやすいと考えます。

 自粛要請が長期化しそうな外食産業、観光産業などはとりわけ、株価の低迷状態も長引く見通しです。新型コロナウイルス感染拡大が今後も警戒される新興国関連銘柄なども先行き不安は残りそうです。一方、世界的に経済回復ペースが速まりそうな中国関連銘柄などは選別物色の対象となり得るでしょう。また、原油相場の水準が大きく低下していることから、電力や化学、ゴム製品、海運など原油安メリット銘柄の見直し余地も大きいと判断します。