1 花王(4452・東証1部)

▼どんな銘柄?
 化粧品事業、スキンケア・ヘアケア事業、生理用品や紙おむつなどのヒューマンヘルスケア事業、衣料用・食器用洗剤などのファブリック&ホームケア事業、油脂製品や機能材料製品などのケミカル事業が主力事業となっています。

「Curel」「KANEBO」「SOFINA」「ビオレ」「ブローネ」「ロリエ」「メリーズ」など多くの著名ブランドを展開しています。トイレタリーでは国内トップの位置づけとなります。

▼業績見通し
 2020年12月期第1四半期営業利益は393億円で前年同期比2.8%増益となり、通期見通しは2,200~2,300億円のレンジ予想で、前期比1ケタの増益を計画しています。第1四半期業績は、インバウンド需要の減少、外出自粛要請の影響で、化粧品事業が伸び悩みましたが、他の事業は増益をキープする形となっています。

 中国市場の回復、衛生用品の需要増加、原材料費の低下などで、通期増益計画達成の可能性は十分にあるとみられます。

▼ここがポイント
 前期までで30期連続での増配を実施、2020年12月期も増配となる140円を計画しています。日本のトイレタリー市場は、衛生関連製品の需要拡大で1-3月期も市場を拡大させており、計画比減配の可能性は現状では低いと判断できるでしょう。

 今後は第1四半期決算時に発表されなかった自社株買いの実施が注目材料となります。

2 SPK(7466・東証1部)

▼どんな銘柄?
 自動車部品の専門商社で、国内では業界トップの実績です。クラッチ、ブレーキ、電装品などの機能部品、車検パーツなどを取り扱い、自社ブランドも展開しています。取扱点数は約3万点、国内販売先は1,500社以上で、海外も80カ国、300社に輸出しています。

▼業績見通し
 2020年3月期営業利益は19.4億円で前期比1.0%増益、ほぼ期初計画の水準を達成しています。国内販売が堅調に推移した他、アジアがけん引する格好で海外販売も伸長しています。連続最高益更新も続けることとなっています。

 新型コロナウイルス感染拡大の影響が不透明として、2021年3月期業績計画は開示していませんが、1-3月期も堅調な推移となっていることで、大きく落ち込む懸念も乏しいと考えられます。

▼ここがポイント
 2020年3月期の配当性向23.3%から鑑みて、今後の増配余地も大きいと考えられます。現在の事業環境下でも、増配傾向がストップする可能性は低いとみます。

 株式の流動性が乏しい点はネックとなりますが、今後、アナリストのカバレッジが拡大することにより、連続増益・増配基調への評価が高まることとなれば、割安なバリュエーション水準の底上げも期待されるでしょう。

3 小林製薬(4967・東証1部)

▼どんな銘柄?
 医薬品、オーラルケア、スキンケア、栄養補助食品、衛生雑貨品、芳香消臭剤など幅広い領域において製品を提供しています。「“あったらいいな”をカタチにする」をスローガンとして、ニッチな製品開発に定評があります。

 新製品の4年寄与率は2018年12月期にかけて20%台の推移となっていました。M&A展開などにも積極的です。

▼業績見通し
 2020年12月期第1四半期営業利益は48.7億円で前年同期比5.3%減益ですが、会計基準変更の影響があり、実質的には同9.1%の増益となっています。

 新型コロナウイルス感染拡大の影響でインバウンド向け売上高が減少したものの、マスク、のどスプレー、メガネふきなど特需が発生した製品も多く、除菌・衛生関連製品が下支えになっています。

 通期業績予想は264億円で前期比2.9%増益、4期連続増益となる計画です。

▼ここがポイント
 同社の高い製品開発力は、未知のウイルスに対する対策ニーズが高まる中にあって、強みを発揮するものとみられます。今後も折に触れて、新製品開発やヒット商品の登場が株価の刺激材料につながる可能性が高いでしょう。

 当面はインバウンド需要の停滞が懸念されますが、いち早く景気回復が期待される中国向けなどには、越境EC販売の拡大なども想定されます。