まずは好業績が期待できる銘柄をピックアップしたい

 このとき重要なのは、やみくもに何でもかんでも株を買えばよい、というわけではありません。いろいろな銘柄の株価の動きを見れば分かりますが、すでに上場来高値を更新しているような力強い銘柄もある一方で、急落したアルファベットの「L」形のような株価チャートになっている銘柄も少なくありません。

 したがって、まずは「好業績が期待できる銘柄」をピックアップし、買い時が来たら買うように準備しておくのがよいと思います。

 あとは、現時点では業績が厳しそうであるものの、新型コロナウイルスによる影響が落ち着いたら業績が回復する可能性が高い銘柄もピックアップしておき、株価上昇の初動に乗れるようにしておくとよいでしょう。

 なお、すでに決算発表が終わった銘柄の中には、来期の業績予想を未定としているものも目立ちます。会社でさえ、今後1年間の業績が予想できない中、個人投資家が自分の思い込みだけで「この会社は今後業績が回復するから」という理由で、株価が下降トレンドにとどまっているにもかかわらず買い向かうのは危険です。

 会社が業績予想を発表しないにしても、プロ投資家や外国人投資家は独自に業績を予想し、今後伸びる見込みがあれば買ってきますから、株価が低迷したままというケースはあまり想定できません。

 そこで、もしご自身が今後この会社の業績が伸びると確信していても、株価が上昇トレンドに転じないうちは手を出さないのが安全です。

 先週のコラムでお話しした原油ETF(上場投資信託)も、「こんな安い価格なら今買っておけばそのうち上がるだろう」と考えた個人投資家が、下降トレンドの中を買い向かった結果、大きな損失を被ったことは忘れてはいけません。

3月から今までの各銘柄の株価チャートをチェックしておく

 業績が伸びそうな銘柄探しの基本は会社四季報、企業のウェブサイト、もしくはネット情報です。

 ですが、銘柄探しが苦手、という方もいるでしょう。そんな方には、年初来高値を更新している銘柄株価チャートの形をみて強い動きになっている銘柄をまずは見つけてみてください。その上で、それらの銘柄について会社四季報などで調べ、確かにこの銘柄は見込みがある、と思えば投資候補銘柄リストに加えればよいと思います。

 まだまだ株式相場は不安定な動きが続きそうです。無理のない範囲で株式投資を楽しみつつ、株価が上昇する局面はしっかりと乗れるよう、銘柄選択と株価のチェックは今のうちに行っておきましょう。