原油のみ大幅上昇、前週比+32.8%。

 先週は、原油の上昇が目立ちました。前週比+32.8%となり、ダントツで上昇率1位でした。具体的な価格は、3月27日(金)の終値が1バレルあたり21.84ドル、4月3日(金)の終値が同29.00ドルでした。

 一方、全体的には、原油の突出した上昇を除けば、上昇銘柄数は8、下落銘柄数は14でした。最大と最小を除く変動率の平均は-1.1%と、若干下落に傾いているものの、上昇銘柄数が23銘柄中82.6%の19銘柄、同変動率の平均が+6.6%だった先々週に比べれば、ほぼ横ばいと言えると思います。

 先週の全体的な動きを一言で言えば、先々週の全面高の反動、と言えるでしょう。比較的変動率が高いビットコイン[暗号資産]も+1.2%にとどまっています。

 気になるのは、ドルと金の上昇と、国内外の主要な株価指数の下落が同時に起きたことです。現金(ドル)を手元に戻したり金に資金を逃避させたりする動きと、株価下落の同時発生は、典型的なリスクオフ(リスクを回避する動き)と言えます。

 先々週、全面高になったことで、新型コロナウイルスの世界的な感染拡大がもたらす“総悲観”のムードが一巡した可能性が生じましたが、先週は、全体的に横ばいで、一部でリスクオフの傾向が示されました。このため、まだ総悲観は一巡しておらず、まだまだ警戒を緩めてはいけない状況にあると言えそうです。

※原油相場の足元の変動要因などは、次のレポートで詳細を述べます。

 

3月27日(金)から4月3日(金)までの週のジャンル別騰落率

注:楽天証券のマーケットスピードⅡのデータより楽天証券作成
注:ビットコインは楽天ウォレットのビットコイン価格を参照。日本時間の前々週土曜日午前6時と前週土曜日午前6時を比較
注:プラチナ、パラジウムは楽天証券のマーケットスピードCX内「海外市場」のデータを参照
注:騰落率は週足の終値をもとに算出。(前週終値-前々週終値)÷前々週終値