4月前半は、国内勢の買いがやや減少する可能性も

 需給面で、4月前半は、やや国内勢の買いが減る可能性があります。3月に、日本株を買ったのは、個人投資家、日本銀行、事業法人(自社株買い)、信託銀行(公的年金など)でした。

 この中で、今週、変わらずに巨額の買いを続けているのは、日本銀行だけと推定されます。個人投資家は、下がると買いが増えますが、急反発の局面では戻り売りが増える傾向が鮮明です。自社株買いと年金の買いは、3月の受け渡しベース最終売買日(3月27日)までで、当面予定されていた買いは終了していると推定されます。

 年金基金は、3月末でリバランスの買いがいったん終了したと考えられます。自社株買いも、3月決算企業については、いったん終了していると考えられます。

 3月期決算企業については、株主総会が開催される6~7月に新たに2020年度の自社株買付枠が設定される見込みです。それまで、一時的に自社株買いが減りそうです。12月決算企業は、2020年度の自社株買付枠を既に得ているので、自社株買いは続けられます。

日経平均はどこまで下げるか?当面の想定レンジは1万6,500~1万9,500円

 それでは、日経平均はどこまで下がるのでしょうか? テクニカル分析で考えると、当面の想定レンジは、1万6,500円~1万9,500円です。1万6,500円は、コロナ・ショックが始まってからの急落で一気に下げた下値です。ここまで下げた時に「下げ過ぎ」感が出て、1週間で+17%の急反発につながりました。空売り筋は、ここから17%の急反発を見ているので、この水準まで売り込む勇気を当面持ちにくいところです。したがって、ここが目先の下値メドとなります。

 一方、上値メドは、1万9,500円となります。ここまで反発した時、「反発ピッチが速過ぎる」とのムードが広がり、ここから急落したからです。
 昨日のレポートに記載した通り、株式市場では、以下の強弱材料のせめぎ合いとなっています。

【強材料】
・世界各国が協調して、何でもありの巨額経済対策を出してきていること
・新型コロナの「治療薬・ワクチン・簡単な検査方法」の開発が進み始めていること

【弱材料】
・欧米および日本で、感染拡大止まらないこと
・感染を抑えるための経済封鎖により、日本および世界の景気・企業業績が急激に悪化していること

 想定レンジの上半分(1万8,000円~1万9,500円)では、当面、戻り売り圧力が強くなりそうです。想定レンジの下半分(1万6,500円~1万8,000円)では、当面、押し目買い圧力が強くなると予想しています。