電気自動車、ライドシェアがインフラに

 さて、米国では、東京の丸の内のように大企業の本社が集中していることはほとんどありません。複数の企業を訪問しようとすると、必然的に車や飛行機での国内移動が多くなります。その道すがらちょっとした気づきを得ることもあります。

 例えば電気自動車。カリフォルニアのハイウェイを車で移動中、Teslaの電気自動車が普通に走っているのを見かけました。体感的に、セダンの10台に1台とはいかなくても20台に1台以上はTeslaだったのではないでしょうか。カリフォルニアという土地柄もあるのでしょうが、電気自動車が着実に浸透していると感じました。

 また、各空港ではUberやLyftなどのライドシェアタクシーを待つためのポートが整備されていました。数年前に訪れた際にはなかったものです。ライドシェアが着実に社会インフラとしての地位を確立していることを感じました。

 しかし、そのこととライドシェアのプラットフォーマーたちが儲かるかどうかは別問題です。実際に私たちを運んでくれたドライバーはUberとLyftの両方に登録していました。単純にその方がお客を拾える確率が上がるからです。ライドシェアのプラットフォーム自体は単なるマッチングアプリに過ぎず、ある程度の技術があれば誰でも開発できます。恐らく第三のアプリが台頭してくれば、彼はそれにも登録するでしょう。この分野に本質的な参入障壁はないのです。