変わらない強さのMXIM

 今回の出張に限らずですが、米国企業を訪問すると、より高い企業価値を求め続けるパワーに驚嘆せずにはいられません。上記のとおり、IntelやDisneyといった巨大企業ですら、社会の変化に対して大きく自社の事業領域を変革しようとしています。もちろん、既存の強さがあるからこそ、このような変革にチャレンジできるのだと思います。

 一方で、良い意味で変わらない企業もあります。

 次に訪問したMaxim Integrated(MXIM)、この会社はアナログ半導体を作っている中堅メーカーです。電子機器の中で電流を制御したり、電力消費をコントロールするために使用されるICチップを製造しています。

 携帯電話から車や産業機械にアプリケーションが変化しても、電流を制御するという基本機能は変わらず、パソコンの演算処理のようにどんどん複雑になり高性能が求められるものでもありません。「技術者出身の当社CEOが30年前に設計したICチップがいまも現役で使われている」と、当社IR担当者は笑っていました。

 一般的に人材の流動性が高い西海岸にあっても、当社では20年、30年と勤めている従業員が多いそうです。毎年のボーナスも安定しており、「世界を変えたい」という野心的なエンジニアではなく、製品の細かな改善を通じて顧客に貢献したいというマインドの技術者を惹きつけているようです。産業の特性が、企業文化にもよく表れていると感じました。

Maxim Integrated本社前にて