Disneyは7人の小人が支えている
次に訪問したのはWalt Disney(DIS)です。NVICではDisneyには2015年から投資し、保有を続けています。本社を訪問するのは今回で3回目ですが、面談はいつも7人の小人が待っている本社、「7人の小人ビル」で行われます。
ミッキーマウスに代表されるオリジナルキャラクターから、アベンジャーズ、スターウォーズなど比較的最近買収により獲得したコンテンツまで、いまやエンタメ界の圧倒的巨人として君臨する当社ですが、かつては倒産の危機にひんしたことがあります。
1923年の設立後、短編アニメやミッキーマウスを生み出すことで一定の成功を収めていた当社でしたが、アニメのさらなる可能性を信じていた創業者ウォルト・ディズニーは、世界初のフルカラー長編アニメ映画の製作に乗り出します。想定以上に膨らむ開発費用に会社の資金も底を尽き、最後はウォルトの自宅を担保にして借金をしてまで完成させた作品が「白雪姫」。
この作品が当時としては異例の大ヒットとなり、美しい映像や音楽は世界中のクリエイターに影響を与えたと言われています。ここからDisneyの歴史、アニメ映画の歴史は始まったのです。
そして、会社の発展を支えてくれた「白雪姫」に敬意を表し、いまでも当社の本社ビルは、文字通り7人の小人が支えているのです。
さて、そんな当社も変革に挑んでいます。昨年ローンチされた「Disney+」、このストリーミングサービスにより、ディズニーコンテンツを直接消費者へ届けるという新たな領域にチャレンジしています。サービス開始後、3カ月ほどで3,000万人の加入者を集めた同サービスですが、ストリーミング配信の分野ではNetflix(有料加入者数1.7億人)やAmazon(Primeサービスに付帯、会員数1.5億人)※などの先行者が多くの加入者を獲得しています。
※2019年12月末時点の会社から発表された会員数。
圧倒的に豊富なコンテンツを保有する当社がこの産業地図をどう塗り替えていくのか、楽しみです。