本日の注目通貨

ドル/円: マーケットが失望しているのは政治

 FRB(米連邦準備制度理事会)はこの日、再び緊急会合を招集して、量的緩和を無制限に行う方針を決定しました。FRBは米国債や住宅ローン担保証券(MBS)を必要なだけ買い取り、資金供給をこれまで以上に大幅に拡大することになります。

 しかし、FRBの懸命の努力にもかかわらず、NY株式市場のダウ平均株価は一時960ドルを超える下落。マーケットがFRBの政策を不満なのではありません。むしろその逆。すべきことを全て行っていると評価しています。マーケットが失望しているのは政治。米上院は、トランプ政権の1兆ドルの大型経済対策を却下したと伝わっています。景気対策よりも党略を優先する米政治にがっかりしているのです。

 23日のドル/円は、FRBのニュースで109.66円まで下がりましたが、経済対策への失望感から再び111.59円まで反発、先週までの高値(111.51円)を更新しました。「リスクオフ」で円安に動くという、これまで逆のパターン。教科書的にはこれが正しい動きなのでしょうが、まだ感覚がついていきません。

出所:MarketSpeed FXより、楽天証券作成